日本オタクの海外のアニメファンに対する目線

 主に、これまで「AskJohnふぁんくらぶ」のコメント欄を斜め読みしきての雑感。個人的には「Moonlight Fantasia」にコメント欄が無いのが残念。

 数年前に海外のアニメファンの反応が初めて日本に伝えられはじめたばかりの頃と現在では、日本側の受け取り方がかなり変質しているように思う。当時、日本側の興味の中心は、文化的なギャップを背景にしたアニメの受け取り方の違いや、その立ち位置の違いにあっただろう。しかし、現在では文化の違いそのものを楽しむというより、アニメを賞賛したり的外れな質問をする外国人を見下す事によって、日本の優位性を確認する事に喜びを感じる層が増加しているように見える。自分が日本人のアニメオタクである、というただ1点だけを根拠にして、自動的に海外のファン達を自分達より劣るものだと見なし、評論家気取りで高みから論評するのだから、一部の腐った気質の方々には、さぞかし楽しい娯楽なのだろう。

 そういった例が端的に表れているのが、海外における日本アニメ人気の過大評価と、ファンサブに対する断罪だろう。特に後者においては、日本国内で行われている、ニコニコ動画での著作権侵害P2Pによるファイル交換行為に対して一切スルーをしておきながら、海外のファンサブ行為に対しては、非常に激しい敵意を見せ断罪するのが特徴的だ。誤解のないように言っておくと、自分は外国人のファンサブ行為やファイル交換は、明らかに違法行為だと考えているし、彼等はそれらの行為を停止して、相応の対価を支払ってアニメを視聴すべきだと思っている。また、海外違法行為の原因が日本にあるという頓珍漢な見解に同意するものでもない。しかし、海外の違法行為を徹底的に糾弾しておきながら、自分達が日本国内で行っている違法行為に対しては、まったく言及しない(もしくは屁理屈をこねて擁護する)というダブルスタンダードについては、考えておいた方がいいだろう。

 正直、下らない日本優等意識の蔓延する最近の「AskJohnふぁんくらぶ」のコメント欄にはうんざりしてる。そろそろ程度の低いナショナリズムから離れて、もう少し実のある議論が増えないかとは思うけど、まあ、水は低きに流れるというし。