テレビは安い

次世代ゲーム機不要論の中に「HDテレビの普及状況を考えれば次世代ゲーム機が必要な時代はまだ来ない」といった論調があったように思う。たしか、大画面の薄型テレビは家族がリビングルームで楽しむようなものだから、そこにゲーム機が入り込むような隙はない、といった主旨だったと思う。
個人的には、これこそ非現実的な意見だと思う。簡単に言えば、HDテレビはどんどん安くなり、次々と個室に入っていくからだ。リビングを占拠する大画面テレビなど使わなくても、今まで通りプライベートルームでHD解像度のゲームが当たり前になる時代は、わりとすぐそこだろう。
理由として挙げられるのは、新世代ゲーム機の現実的な出力解像度が720pに落ち着きそうなことだ。1080pのフルHDパネルはまだ高価だし、大画面の物しか用意されていないが、ゲームを楽しむだけなら不要だ。そして720p対応パネルを搭載したテレビの価格は、現時点でさえ既に個人レベルでも充分に購入の視野に入ってきている。これが、来年以降となれば尚更だろう。
おそらく、冒頭に上げたような勘違いは「薄型テレビは高価な物だ」という固定観念から抜け出せていないためだろう。そして、頭の中で思い浮かべた高価な薄型テレビでゲームのプレイシーンを想定しようとするから、おかしな話になってくる。現実としてテレビは安いし、これからもどんどん安くなっていくのだ。そういった時流を見越して、現世代で不完全*1ながらもHD出力を果たしてきた新世代ゲーム機は現実的な対応ができたと言えるだろう。

*1:現世代のゲーム機は、1080pに対応させようとすると一気に無理が出る。