何でもAボタンになって楽しいのか?

ボタンが増えすぎて操作が複雑になった事が、初心者にとって障壁となっているという話は良く分かる。しかし、どんな操作でもAボタン1つで完了してしまうことが、本当のゲームの面白さにつながるとは限らない。自分は、しゃがんで弾をかわそうと思ってAボタンを押したのにキャラクターが壁に貼り付いて弾をかわしたら、プライヤーにとっては楽しいリアクションではない。
Aボタンで全てをこなそうと思えば、ゲーム内容をどんどん単純化していくか、ほとんどの操作を自動化していくかのどちらかしかない。そうやってどんどん中身を削ぎ落としていくうちに、失われていくものもある。
昨今のゲーム産業衰退論に乗じて、シンプルなゲーム、単純な操作性を過剰を礼賛するのがここ最近の流行だろうか。ユーザー減少や売り上げの縮小という問題を心配するのも良く分かるが、だからといって目先のことしか見ていない程度のアンチハイスペック主義やアンチヘビーゲーム思考に終始するなら、その反動はいずれ日本のゲームに大きなしっぺ返しをもたらすだろう。