ハイブリッドレコーダはなぜ難しいのか

HDDレコーダとDVDレコーダが合体した、いわゆるハイブリッドレコーダを使っているけど本当に便利。これくらいの進歩があれば、家電製品も買い換えて良かったと思う。

ただ、自分の両親くらいの世代になると、こういった機械の使いこなしは難しいようだ。何度か説明しているうちに、基本最低限くらいの操作はできるようになったけど、少し細かいことをやろうとすると往生する。また、15秒スキップやチャプター単位での頭出しといった、VHSビデオには存在せずハイブリッドレコーダから加わった新しい機能というのを覚えられないようだ(覚える気がない?)。 両親は番組中にCMが来る度に、昔と同じように早送りと巻き戻しで対処している。

どうして両親にとってハイブリッドレコーダの利用は難しいのか。思うにハイブリッドレコーダは、DVDプレイヤ、HDDレコーダ、DVDレコーダ、という3つの機械が1台に合体した複合的な機械であるにも関わらず、その概念の説明をすっ飛ばして、求められる度に操作方法だけを逐次説明していた自分が悪かったように思う。ハイブリッドレコーダは前に挙げたように、3つの独立した機能があり、その機能の間を「録画した番組」というコンテンツが行き来する運用が基本だ。しかも「録画した番組」はHDDに存在する間はファイルの形をとり、DVD-Rに移せばディスクの形をとり、さらにディスクにはR以外にもRAMやRWがある。そして、VHS時代には「録画した番組」というコンテンツは「テープ」と不可分の存在であったため、「機械」と「コンテンツ」と「メディア」の3つが分離して存在しているという状態を理解してもらうまでに、時間がかかったように思う。

もちろん、実際は画面上での細かな操作や鬼のようにボタンの配置されたリモコンという問題もあるんだけど、目先の即物的な操作だけを説明するのではなく、まずは大まかな概念から説明していくようにしていれば多少時間はかかっても、こちらも手間がかからず両親ももっとスムーズにハイブリッドレコーダに移行できたのではないかと思っている。

それにしても、これから先これで地デジ対応機にでも買い換えれば、さらにSDとHDの違いやコピーワンスの概念の説明まで必要になってくる。複雑な制約増えるあまり、せっかく年齢の割には積極的にテレビを録画したり、ディスクに残したりとがんばっている両親が、操作をあきらめ先端の機械が遠ざかることになってしまったら自分も残念なんだけど。