政府様がみてる

首相官邸のホームページで「知的財産推進計画2006」の見直しに関する意見募集が行われている。(参考:著作権法改悪で同人誌制作が全面違法化か!?著作権法の改定や著作権期限の延長などについての意見を送ることが出来る。

自分も同人誌などの扱いに関する不安から、ネットの情報などを参考にコメントを送ってみようかと思った。そこで、少し躊躇したのがリンク先の入力フォームだ。意見の送信には、名前、住所、電話番号や職業の入力が必須となっている。匿名で無責任が意見が大量に送られても困るということだろう。自分の出した意見に責任を持つという意味でも、そういった情報の入力が求められるのも分かる。しかし、入力した自分の個人情報は、いったいどう取り扱われるのだろう?

今回の事に限らず、様々な法律の改定にあたってパブリックコメントという形で、個人の意見を送る事が出来る。そうやって送った意見の内容と個人情報を記録しておけば、その気になれば政府は特定個人の思想や信条などをかなりの確度で把握する事も可能となる。

もちろん、実際はよほど社会に影響を与える重要人物ででもない限り、政府がわざわざ入力フォームからの情報を掻き集めてまで、一個人の細かな政治思想まで追跡するような暇なことはしていないだろう。しかし、情報は蓄積され続ける限り、いつどこでどういった形で利用されることになるのか分からない。薄もやに包まれたような不安も感じる。

首相官邸ホームページのプライバシーポリシーには以下のように書かれている。

任意に登録いただいた利用者属性等については、「ご意見・ご要望」の参考情報として利用します。
なお、これらの情報は「ご意見・ご要望」の内容に応じ、関係府省等に転送します。

これを読む限り、例えば自分が送った情報がデータベース化され免許証や納税情報と紐付けて利用される……というような心配をするのは大袈裟だろうが、書面とは異なりWEBから入力した電子情報はそのままダイレクトにデータベースに蓄積することが可能だ。

今回の件に限らず、監視カメラ、Nシステム、ETC利用情報…etc。国民個人の情報は想像以上の場所と形で記録蓄積されている。安直に管理社会だ国家主義だと騒ぐ気もないけど、曖昧な形で収拾される情報がどう利用されているのか、疑問を感じないのはおかしいだろう。せめて入力フォームから入力する個人情報の取り扱いくらいクリアに出来ないのだろうか。わざと曖昧にしてるとか、コメント入力への抑止効果を狙ってるとは思いたくはないんだけど。

こういう時、信用のおける第3機関に個人情報を預けIDとPASSWORDを発行する。パブリックコメントへの入力などは全てIDとPASSWORDでのみ行い、個人の情報には法律で認められた場合にしかアクセスできず、アクセスがあった事も本人に通知される。そういうシステムはどうだろうか。*1 現在の形だと、個人情報が曖昧なまま垂れ流しだしなあ。

*1:もちろん、運用次第によっては逆効果だろうけど。