サイトが18禁である事を明示するメタタグが欲しい
2008年4月13日12時51分追記
とりあえず冒頭に結論を置いておきます。
<meta name="rating" content="adult">
上記メタタグでサイトが18禁であることを明示できます。
以前、趣味でエロゲー関連の情報を扱うサイトを運営していた事がある。画像は一切使用していなかったが、それでも毎日そこそこのアクセスがあり、更新を停止した頃には(自分にとっては)結構な数のカウンタが回っていた。
その頃(そして今でも)、結構本気で欲しかったのが、サイトの内容が18禁である事を明示するメタタグだった。要するに、フィルタリングソフトやフィルタリングサービスの類が、このメタタグを検知すると自動的に18禁カテゴリに分類してくれるのである。(本当は、フィルタリングサービスを導入しなくても、OSやブラウザレベルでペアレンタルロックされるのが理想なんだけど)
どうして、こんなタグが欲しいと思ったのかというと、余計なトラブルに巻き込まれたくなかったから。今の時代、いくらトップページに年齢問い合わせを設けたり、サイトの内部に18禁である事を明示した所で、実質的に効力が無い事は明白である。幸い、実際にそういったトラブルに遭遇する事は無かったが、もし偶然にも、自分のサイトを閲覧してしまった小中学生の保護者や学校関係者、もしくはさらに上の機関から文句や抗議の類が来たら面倒だと常々思っていた。もちろん、法律的には問題のないサイトだったが、それでもエロゲーサイト運営者という立場は圧倒的に弱い。昨今、あちこちでフィルタリングサービスの導入に関する議論が熱心だが、そういった安全策をきちんと組み込んでいる家庭からは、自分の運営するサイトが確実に見えなくなるような方策が欲しかったのである。端的に言えば、彼等の視界から消えたかった。存在するという事実その物を認識されたくなかった。事象の彼方に消失したステルスサイトになりたかったのだ。
現実的には、こういったリスクは自分のような個人サイト運営者よりは、エロゲー会社のような法人組織の方が大きいと思う。ネット上にこれだけ、エロゲー情報や体験版が溢れかえっている現在、それが政府やマスコミから、槍玉に挙げられる日が訪れるのも時間の問題のように思う。(そして、その先にあるのは、大々的な表現規制だ) その時に備えて、少しでも対策を打てないのだろうか? 例えば、ソフ倫やメディ倫が率先して、18禁サイトである事を明示するメタタグを設定して、加盟会社の全サイトの全ページに記入を強制する。フィルタリング会社やセキュリティ会社には、該当メタタグの入ったページのフィルタリングを依頼する。こういった活動を行って、少しでも自主努力の取り組みをやっていかなければ、世間からの集中砲火を浴びた時に、業界や二次元世界を守っていけないのではないだろうか。
上の文章からも分かるように、この18禁明示メタタグ案は、いわゆる確信犯で行っている悪質業者を防ぐような物ではない。目的はそんな所にはなく、むしろ普通の合法的な活動を行っているエロゲー会社や二次元関連サイトを防衛するための拙い提案である。繰り返しになるが、世間からネット上のエロゲー情報や関連サイトへの攻撃が始まるのは、近い将来の事だと思う。せめてその時に「フィルタリングサービスさえ導入していれば、エロゲー情報は絶対に表示されません」と胸を張って言えるようにしておいた方が、いいと思うんだけど。
追伸
それとも既にそういう仕組みは存在するのですか?
2008年4月7日21時54分追記
コメント欄およびブックマークコメントで閲覧対象を指定するメタタグが存在する事を指摘いただきました。早速、利用させてもらいます。ありがとうございました。
<meta name="rating" content="adult">
上記メタタグで成人向けコンテンツである事を明示。
また、未成年者に有害と思われる内容が含まれている場合「PICS-Label」というメタタグを利用して、その内容を申告する事が可能とのことです。
2008年4月6日12時13分追記
「こんなエントリを書いたあなたなら、自民党や民主党の推進する青少年の健全な育成のためのインターネットによる青少年有害情報の閲覧の防止等に関する法律案も賛成ですよね?」と言われてしまいそうなので、補足。
今回のこの拙い提案は、明確に18禁の領域であるエロゲーの世界に限定しての話。次に、業界が自主的に行うからこそ、意味があると考えている。仮に同じ内容の施策であっても、外部から強制されて実行という形なら、その意味合いは大きく変わってしまう。また、表現その物を自主的に削除しようという提案ではない。こういった情報を見たくない人のために、しっかりとした壁を打ち立てて、壁のこちら側では表現の自由を維持していこうという発想。そして、この壁を利用するかどうかは、行政が口出しする事ではなく、個々の家庭の自主的な判断によって行うべきものだと考えている。また、そうなるようにリテラシーを広げていく事が望ましいと思う。
これからの生き残りのためにも、ネット上のエロゲ等に関する情報のあり方に、業界側がある程度イニシアチブを発揮出来る余地を作っていく事が大事だと思う。外部から口出しされる前に、上手く働く仕組みを作れれば理想なんだけど。
日本オタクの海外のアニメファンに対する目線
主に、これまで「AskJohnふぁんくらぶ」のコメント欄を斜め読みしきての雑感。個人的には「Moonlight Fantasia」にコメント欄が無いのが残念。
数年前に海外のアニメファンの反応が初めて日本に伝えられはじめたばかりの頃と現在では、日本側の受け取り方がかなり変質しているように思う。当時、日本側の興味の中心は、文化的なギャップを背景にしたアニメの受け取り方の違いや、その立ち位置の違いにあっただろう。しかし、現在では文化の違いそのものを楽しむというより、アニメを賞賛したり的外れな質問をする外国人を見下す事によって、日本の優位性を確認する事に喜びを感じる層が増加しているように見える。自分が日本人のアニメオタクである、というただ1点だけを根拠にして、自動的に海外のファン達を自分達より劣るものだと見なし、評論家気取りで高みから論評するのだから、一部の腐った気質の方々には、さぞかし楽しい娯楽なのだろう。
そういった例が端的に表れているのが、海外における日本アニメ人気の過大評価と、ファンサブに対する断罪だろう。特に後者においては、日本国内で行われている、ニコニコ動画での著作権侵害やP2Pによるファイル交換行為に対して一切スルーをしておきながら、海外のファンサブ行為に対しては、非常に激しい敵意を見せ断罪するのが特徴的だ。誤解のないように言っておくと、自分は外国人のファンサブ行為やファイル交換は、明らかに違法行為だと考えているし、彼等はそれらの行為を停止して、相応の対価を支払ってアニメを視聴すべきだと思っている。また、海外違法行為の原因が日本にあるという頓珍漢な見解に同意するものでもない。しかし、海外の違法行為を徹底的に糾弾しておきながら、自分達が日本国内で行っている違法行為に対しては、まったく言及しない(もしくは屁理屈をこねて擁護する)というダブルスタンダードについては、考えておいた方がいいだろう。
正直、下らない日本優等意識の蔓延する最近の「AskJohnふぁんくらぶ」のコメント欄にはうんざりしてる。そろそろ程度の低いナショナリズムから離れて、もう少し実のある議論が増えないかとは思うけど、まあ、水は低きに流れるというし。
捕鯨反対も二次元児童ポルノ規制も本質は同じ
規制の根拠を根本的に突き詰めれば、要するに「俺達が気持ち悪いから絶対に許さない」ここに到達する。いくらこちらが、科学的根拠を示そうが、理屈を通そうが、相手は生理的欲求もしくは動物的衝動に身を任せて規制を叫んでいるだけなので、我々が死滅するまで、毒ガスをまく事を止めようとはしないだろう。
とはいえ、ここで引き下がってしまっては、それこそ我々は連中によって本当に殺されてしまう事になるので、せめてもの抵抗として、規制推進派の議員や政党には絶対に投票しない、これくらいしか出来る事がない。
今回の二次元児童ポルノ規制に限らず、オタクがなぜマスコミや社会のエスタブリッシュメントから叩かれやすいのかというと、要は彼等にとって反撃が怖くない勢力だからだろう*1。政治家の不正追及や大企業の問題告発には、攻撃側にも小さくないリスクが伴う。しかし、オタク相手になら、そういった危険性は一切存在しない。彼等にとってオタク叩きとは、何のリスクも背負わず気軽に点数稼ぎが出来る、非常にお手軽ならサンドバッグ代わりなのだ。それならば、せめて選挙なりなんなりで、こちらの意志を見せて彼等にリスクを負わせる以外に、我々が生き残れる道はない。
ところで、現在の児童ポルノ法、この適用が二次元にまで拡大されれば、当然、全裸の少女の入浴シーンやローティーン少女の下着が見えるアニメは違法という事になるだろう。もし、法律が改悪施行されるような事があれば、推進派の方々には、まず「となりのトトロ」や「魔女の宅急便」といった非常に猥褻な児童ポルノから、是非とも積極的に摘発していただきたい。
*1:もちろんオタク側の隙が大きすぎる、という部分も大きい。
タクティクスオウガとコードギアスの共通性
どちらも、本来なら政治的・社会的にデリケートな事象であるはずの問題を、徹底的に娯楽のための道具立てとして利用している事。
タクティクスオウガは民族紛争や人種差別といった要素を、コードギアスは日本侵略や再独立といった政治的に荒れそうなテーマを取り上げている。しかし、両作品をよく知る人なら、これら作品に一切の政治性が存在しない事もまた一目瞭然かと思う。むしろ、通常ならついて回るはずの政治的なカラーを、作品を格好良く見せるためのスパイスとして上手く利用している。
政治や民族紛争といったテーマさえ、娯楽のエンジンとして料理して消費してしまえるのは、今の日本のオタク生態系が持つ独特のセンス・才能なのか、それとも単にオタクが特別鈍感に出来ている、というだけの事なのか。
中国“動漫”新人類
上記連載のネットでの人気には、記事の内容に加えて筆者である遠藤誉の“熱さ”に要因があるように見える。既に齢60を超える、それも大学教授という社会権威を身にまとった人物が、オタク文化について熱く語り、その素晴らしさを説いてくれるのだ。一部の人達にとっては、記事の内容そのものより、この構図の方が心地よいのではないだろうか。
だからといって、この連載に価値が無いと言っているわけでも無ければ、筆者の熱さに惚れる事が悪いと言っているわけでもない。ただし、自分が記事の中身その物を評価しているのか、筆者の熱さ(と上述した構図)の方を評価しているのか、両者の比率はどれくらいの割合なのか、といった部分は自覚しておいた方がいい。
ソニーとシャープ、液晶で協業
これソニーの調達先拡大って方針以外に、サムソンが液晶パネルの大画面化(主に60インチクラス以上の市販量産)で苦戦してるって側面はないんだろうか?
特に根拠はないけど、最近の液晶パネル大画面化競争では日本メーカーの頑張りに比べて、韓国メーカーには以前ほどの勢いは無いってあたり、伏線になってないかなあ。
え? 民主国家?
- MicrosoftはXbox LIVE上にゲーム民主国家を建国する(GameWatch)
以前から話題に上がっていたとおり、マイクロソフトがXbox360開発環境「XNA Game Studio」と「Xbox Live」を組み合わせて、ゲーム版Youtubeを展開していくという話。SNS的なコミュニティの運営も視界に入っており面白い試みだと思う。
キーになるのは開発の簡便さと、配信手段のコストだろう。特に後者に関しては、既に商業的な成功を収めているXbox Liveという優れて強力なプラットフォームに、低コストで自作を流通させる事が出来るという点は、開発者達にとっては大きな魅力と映るだろう。*1 加えて冒頭でも挙げたように、開発者とプレイヤーが一体となったSNS的なコミュニティ機能が働く事によって、アイデア勝負で一発決める、インディーズ系ゲーム開発の世界が大きく活性化するかもしれない。同人ゲームが主流の日本ではピンと来ないかもしれないが、Mod文化の発達するアメリカでは、その潜在力は大きいと思う。
さらに、マイクロソフトは、Live Anywhere構想の下に最終的にはXbox LiveをWindowsプラットフォームと統合する意志を見せている。マイクロソフトが構築する、このゲーム版Youtubeの世界はXboxという閉じた世界に終わらず、Windowsという窓口を通じて、より大きなゲーム文化のバックエンドへと発展していく可能性もある。*2
ただここで気になるのは、結局このシステムが上流から下流まで全てマイクロソフトの手の内に握られているという事。仮にこれがエコシステムとして上手く回り始めたとしても、その果実が最終的には全てマイクロソフトに流れ込む事になると思うと恐ろしい。例えば、資金力はないけど技術力はある、そんな小さな開発チーム達にとってマイクロソフトの用意したゲーム版Youtubeが成功への常道となってしまえば、次世代のヒットの芽となる才能や人材が全て自動的にマイクロソフトに吸収されてしまう事にならないだろうか。*3マイクロソフトのゲーム版Youtubeという試みは非常に面白いと思うが、そこに建国されるのは決してゲーム業界全体が幸せになれる民主国家などではないと思う。
追伸
このエントリの内容そのものは洋ゲーとMod文化的な視点から、今回の構想を捉えたものとなっていると思う。日本には独自の同人ゲームの文化圏が存在するが、そもそも商業的視点からは「存在しないもの」として扱われているので、今回の話のさらに外側の話として、このエントリからは除外した。